
ツンデレこそ至高!ツンデレこそ正義!戯画のエロゲー『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』感想まとめ
2000年代を代表するビジュアルノベルの傑作。何より「ツンデレクイーン」と称された「カトレア」というキャラを生み出したという点が、オタク史上に残る偉大な業績だと言われています。
エロゲーブランド「戯画」のヒット作「ショコラ」の続編。サブタイトルにある「second brew」は「二番煎じ」の意味だそうです。ただし単独の作品としての完成度も高く、キャラクターも前作から一新されているため、前作をプレイしていなくても楽しめます。
TGL「パルフェ」PSVita版 オープニングムービー - YouTube
出典:YouTube
喫茶店経営シミュレーションかはたまたツンデレ育成ゲームか
本来「ショコラ」同様の喫茶店経営シミュレーションエロゲーとして制作された本作ですが、ライバル店の実質的な店長役となるカトレアこと花鳥玲愛(かとりれあ)のツンデレっぷりが凄まじく、大部分のプレイヤーがカトレアのツンデレっぷりを愛でるために群がるという形になってしまいました。
とはいえキャラ以外に魅力はないのかというとそんなことはなく、しっかり練られたストーリー、非常に丁寧にまとめられたカトレアを含む全キャラの性格など、「魅せる」部分をふんだんに持った2000年代の傑作と言えるエロゲーに仕上がっています。
パルフェやってツンデレ勉強してこんかい
— 靴ヲタ進行中 (@flowerT_T) 2016年4月15日
「パルフェ」と言ったら、やはりカトレア。
— こばと@アリスティア&椎名大好き (@kobato417) 2016年4月10日
自分が初めて好きになったツンデレっ子で、金髪ツインテール=ツンデレという印象を植え付けてくれたくらいインパクトのあったヒロイン。
パルフェは神。
— 白神暖恋@BALDRHEART明日! (@SUPERNONKO2) 2016年2月2日
パルフェやってないやつはツンデレを語る資格なし!
「パルフェ」の概要
中世ヨーロッパの街をイメージした大型ショッピングモール「ブリックモール」はグランドオープンを間近にひかえ、テナントとなる飲食店の誘致を進めていた。
ただの大学生である高村仁のもとに、突然ブリックモールから電話がくる。彼の義姉である杉澤恵麻が経営していた欧風喫茶「ファミーユ」を出店して欲しいという内容である。ファミーユは半年前の火災で店舗を失い休業中だった。
あくせくしながら開店準備を進める中、ありえない程に恵まれた出店条件の裏を知らされる。ファミーユの予定場所の真向かいの店は「キュリオ」。ファミーユがそのコンセプトを学び、模倣したオリジナルである店の3号店だったのだ。
圧倒的な人気と実力を誇るキュリオを前に、主人公は悪戦苦闘を強いられる。アルバイトである雪乃明日香、涼波かすりと3人だけでの開店もやむをえなくなった深夜、滑り込みでアルバイト志望の少女、風美由飛が現れる。その姉であり、キュリオのチーフである花鳥玲愛との口論をきっかけに主人公はキュリオと売り上げ勝負をすることになってしまう。
かつて「ファミーユ」の同僚であった夏海里伽子の助力が得られるかも分からないなか、プレイヤーはこういった状況を打開し、人気店「ファミーユ」を復活させなければならない。
前作とのつながり
主人公の「ファミーユ」の目の前にあるライバル店「キュリオ」の2号店が前作主人公が経営した喫茶店ということになっています。玲愛はどうやら2号店店長である前作主人公を知っているようですが、この店長を含む前作キャラはほとんど直接登場することはありません。このため、前作を知らなくてもプレイできるし、本作を先にプレイしてから前作をプレイしても、ネタバレ感を感じることはありません。
ゲームの流れ
いわゆる分岐ありのビジュアルノベルで、途中で選ぶ選択肢によりフラグが立ち、それぞれのヒロインのストーリーへと分かれていきます。他の分岐式ビジュアルノベルとちょっと異なるのが、ヒロイン確定後のストーリーが確定前と同じぐらい長く、主人公がヒロインと寄り添いながら問題の解決や夢の実現に協力していく展開となっているところです。
エッチシーンはヒロインのルート確定時に一度あり、個別のヒロインルートに突入した後にも何度か繰り返されます。もちろん、心も身体も段々と一つになっていくので、エッチもどんどんハードなものへと進化します。
キャラクター
ファミーユの新入店員。主にフロアを担当している。ブリックモール店開店前日に突然現れ、仁もそのてきとーさ加減に初めは採用する気はなかったが、その楽しそうで美しい歌声に惹かれ迎え入れることになる。
明るくお気楽脳天気、人見知りしないを通り越して馴れ馴れしいため、ファミーユにも簡単に馴染んでいく。最初はそれぞれ「店長」「由飛くん」と呼んでいたが、あるときを境に名前で互いに呼び捨て合うことになる。オーダーを間違えたり食器を割ったりとミスは多いのだが、それを愛嬌で丸め込んでしまうので、苦情にならないどころかそれすら人気へと繋げてしまう天才でもある。
ほぼ即興のミュージカル風の歌を歌いながら接客する癖があり、それが大ウケでやがてはブリックモール全体の名物にまでなっていく。特技はピアノで、覚えている曲ならば譜面なしで弾けてしまうほどの才能を持つ。また、指が長く、普通の人間じゃ振りほどけないほど握力をもつ。
風美の両親と死別した際にピアノの先生であった花鳥家の養子及び玲愛の義姉となり(5年前)、現名は「花鳥 由飛」。玲愛とはピアノの教え子時代から仲が良かったが、「実子の玲愛は就職したのに養子の自分が進学した」ことなどに引け目を感じ、接することを躊躇っているうちに距離が出来てしまった。だが、血は繋がっていないのに玲愛と似た部分もある。
元々は大和音大に通う大学生だったが、1年留年をし、以後単位をまったく取っていない。かつてはプロ混じりの全国コンクールで3位となりピアノの天才とまで言われていたが、あるトラウマによって弾くのを躊躇っている。
パルフェの由飛ルートクリアしたよ♪面白いわ~(*´▽`*)
— 豆わんこ (@mamewanko1105) 2016年1月11日
パルフェやってたらこんな時間に、、時々思い立ったようにプレイするのですよ。もうルート分岐とかのレベルじゃなく台詞もほぼ覚えてるね!由飛ルートラストシーンは何度見てもいい、、「感謝と、憧憬と、全身全霊の愛を込めて」って寝ないと。。
— 早冬@ (@zaruba_ds) 2015年10月7日
キュリオ本店から派遣された3号店のチーフ。キュリオ3号店にも店長は存在するが、普通の店員の2.5倍働くため実質的には3号店は彼女の手により動いている。キュリオ始まって以来の堅物で、他人以上に自分に厳しい真面目人間。出会って早々の口喧嘩が原因で、仁といがみ合うことになる。しかしお節介な部分もあり、ライバルである仁に的を射た助言をすることも多い。また、社員寮として移り住んだマンションでは仁の部屋と隣同士であり、時折ベランダに出ては仁と話をすることもある。
日仏ハーフの金髪ツインテール。しかしその容姿とは裏腹にフランス人の母親共々日本文化にどっぷりとつかっており、フランスにも一度も行ったことがない。さらには、フランス語はおろか、英語も全く話せない。また鍋物やほうじ茶などを好み、寒い時には母親お手製のどてらを着たりもしている。
あだ名は「カトレア」だが、本人はその呼び方で呼ばれることをかなり嫌っている。薬が大の苦手で、内服液しか飲めない。また、仁との口げんかは周りから痴話喧嘩だと思われており、キュリオの店員の間では仁と付き合うのではないかと賭けをされている。2号店店長の結城大介(前作の主人公)を尊敬している。
パルフェの玲愛Trueエンド終わった。ノーマルと違って分岐入ってから長かった…しかしなんだこの展開はたまげたなあ・・・
— そらなな@だめあえ (@7kotae) 2016年8月17日
パルフェは花鳥玲愛をわざわざラキカで集めるくらいには好きだった
— [email protected] (@lovedelver) 2016年8月4日
仁と同期の八橋大学在籍の大学生。静岡県浜松市出身。ファミーユ本店ではチーフを務め、店の立ち上げやキュリオを見習ったコンセプトの導入などを取り仕切った才媛。制服をデザインし、試作品の製作までしたのも里伽子である。ただしドライで無愛想なのが玉に瑕な、ダウナー系真面目人間。「情に流されるとロクな事にならない」が口癖。
就職活動を理由に仁のファミーユ復帰の要請を断り、ブリックモール店を出店する際もキュリオ3号店の存在にいち早く気づき反対した。だが、その後もブリックモール店の実質的なブレーンとして活動し広い人脈などを駆使しファミーユを支援する。勝ち方を良く知っている策士ではあるが、なりふりの構い方はあまり知らない。仁に頼られることが多く、初めは渋るものの、その後に「しょうがないなぁ、仁は」の一言で必ず仁をサポートする。
眼鏡をかけた時に仁に大笑いされたのがトラウマとなっており、仁の前では眼鏡をはずして裸眼ですごそうとするものの、視力がかなり悪い彼女にはそれはかなり難しいようである。後述の事情によりコンタクトは苦手らしい。
半年前に起こったファミーユ本店の火災にたまたま居合わせていた唯一の関係者。忘れ物を取りに店に戻ったところ火災に気付き、焼け落ちる建物に飛び込み仁の家族の位牌を守った。その代償として利き腕の左腕の神経を損傷、左手を動かせなくなってしまう。里伽子は一連の出来事における自分の行動をファミーユ関係者に明かしておらず、心と身体に受けた傷は今も癒やされていない。
パルフェのFDフォセットに収録されている里伽子抄に感動した当時の僕が感想を雑に書き連ねながらシナリオまとめした文章を発掘した。
— りら@アマツツミプレイ中 (@eroger_t) 2016年8月20日
パルフェが名作で無ければ何が名作なのかと。里伽子の終盤のあれに思わず声が出た記憶は今も残っているしあのままのシナリオで普通に連ドラやって高視聴率出せる位には濃い内容してるぞ。
— Bell (@Bell_west) 2016年8月18日
ファミーユの総店長であり仁の義理の姉。元々の姓は高村だったが、仁の兄・一人と入籍し杉澤となる。だが入籍した直後に一人を事故で失い、彼が残した喫茶店ファミーユを仁たちの支援から成り立たせる。だが、ファミーユ本店が火事で焼失したことにより菓子作りへの情熱を失い、保険の外交員をしていた。ブリックモール店を開店する際、ファミーユを復活させることを反対していたが、仁の情熱とピンチを知ってから、それまでの仕事を辞めパティシエールとして復帰する。仁の店だという理由から仁を店長にしているが、陰で支える立場から総店長となる。
義姉弟の関係となったころからかなりのブラコンであり、一端スイッチが入ると仁のことについてかなりの時間語り続ける。だが、仁の失言や歳関連でツッコまれた時は笑顔のまま大激怒する。また、寝起きが悪く、仁が起こしに行かないとずっと寝ていることもある。だが、逆にずっと起きていることは可能。
計量も何もせずに作るため傍から見るとかなり大雑把なのだが、それでも美味しく作れてしまう。その腕はキュリオ本店のパティシエール橘さやかにも引けを取らないが、彼女の作る菓子の魅力はむしろ洗練されていない素朴な味わいで、それは仁がファミーユの名前を決めるときにカンバーニュ(田舎)という店名を提案したほどである。だが、自分で作るのは得意だが他人(かすり)に教えるのは苦手、しかも手を出さずに見守るということが出来ない。また、自分の気まぐれで新商品を簡単に作ったり、みんなが疲れきっている中ケーキを食べたいからとケーキを作り出したりもする。
仁の家庭教師の教え子でありファミーユの店員で、マスコット的存在でもある。主にフロアを担当し、接客に関しては最も安定してこなしている。現役女学生であり清城女子学園2年。本店メンバーの一人であり、ファミーユを復活させる際真っ先に復帰を表明する。仁のことを家庭教師の先生として「せんせ」、店の店長として「てんちょ」と呼んでいる。メンバーの中では最年少だが、胸が一番大きいためそのことを指摘されることも多い。
ファミーユの店員。本来パティシエール見習いだが、フロアもこなせる貴重なマルチプレイヤー。恵麻が復帰する前までパティシエールをたった一人で務め、かつ必要時にはフロアまでもこなしていた。恵麻が復帰以後、恵麻のアシスタントを務める。実家は老舗の和菓子屋で、その当主でもある姉は和菓子界でも新進気鋭の職人。そのため姉との差を感じ実家を出てファミーユに入った経歴を持つ。洋菓子職人として頑張っていたことがバレ、ファミーユ本店焼失後は本人曰く、実家に強制送還され軟禁状態だった。だが、迎えに来た仁と駆け落ちした、と吹聴して復帰する。
18禁版とその他
18禁のオリジナル版(CD-ROM)が登場したのは2005年3月。その後同年12月にコンテンツを追加したDVD-ROM版が発売されます。
翌2006年にはPS2への移植版(当然全年齢)が発売され、さらにその翌年にはPS2版がWindowsに逆移植されました。
最近では2015年にPS/Vita版が発売されており、これが今のところもっともプレイしやすいバージョンとなるでしょう。
まとめ
「パルフェ」は、キャラとストーリーを楽しむ本来のビジュアルノベルの最高峰のひとつと言えるでしょう。しかも、エロゲーであるという基本を見失わずに、きっちり見せるところは見せるという作りになっています。
これ以後、「パルフェ」を超えようと幾多のクリエイターが挑戦しますが、キャラ・ストーリー・エロのバランスをうまく取ることができず「ぼくのかんがえたさいこうのえろげ」になってしまっているように思えます。2010年代になってビジュアルノベルの市場は急速にしぼんでいきますが、それは後続作品が「パルフェ」を超えられなかったせいだ、と言っても過言ではありません。
図らずも、「パルフェ」のテーマの一つは「天才と凡人」でした。どちらかというと「凡人」(努力の人ばかりなので本当の凡人から見ればそれでもスーパーウーマンなのですが)の描写に力を入れている本作が、ビジュアルノベル業界全体から見れば「天才の作品」と評価されてしまったのは、ちょっと皮肉かも知れません。
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前作の「ショコラ」。「キュリオ」の2号店(パルフェに出てくるのは3号店)なので、制服のデザインは基本的に一緒です。